オーバーハウゼン国際短編映画祭 3日目

5月1日

今日はいよいよ自分の作品の上映。とても天気が良く気持ちが良かったので、朝食の後、ホテルの近くを散歩。すると、ものすごい人だかりを発見。近くまで行くと、数え切れないくらいの出店が出ていて、なんと、その全てが布屋さんだった!!


チャックやボタンなどを売っているお店もたくさんあった。



メイデイだからか、土日だからか分からないが、繁華街もものすごい人で、様々な出店が出ていた。


せっかくなので散歩を楽しむ。CD屋さんで「ドイツで一番有名な歌手のCDをくれ」と言って進められるままに購入した。日本では発売禁止になったマジコンもドイツではまだ購入可能なようだ。


どでかい魚のフライに食らいつくおばさん。こんなでかいフライ良く一人で食べられるなあ。魚はやめておいて、じゃがいもを油であげたものを買ってみる。美味しかったが油の量が凄まじい。


その後14:30からのインターナショナルコンペ3を鑑賞。
印象に残っているのは

『Promotional Video』 白い上下でおそろいの服を着た男女が輪になって踊ったり行進したり、レスリングのような事をしたり・・・。意味は良くわからなかった。

『Flag Mountain』 風景のロングショットをじっくり見せた後、同じポジションから撮った夜のものと重ねていく。きっと政治的な意味があるのだろうがそこはわからなかった。

『Instruction』 画がとても綺麗で印象的だったものの、言葉がわからず内容はさっぱり。


町でアフリカの監督と挨拶。日に日に顔見知りが増えていく。


韓国人の若い女性アニメーション作家さんを金さんから紹介してもらい、3人でいろいろと話す。彼女はもうすぐアメリカに留学するらしい。将来的にも今のような作家的な作品を作り続けたいと言っていた。とても楽しみな作家だ。二人は映画祭のガイドで美術館などを観光するツアーに申し込んでいたので、ここでお別れし、自分はフェスティバルカフェでクーポン券を使い食事をすることにした。今日は鶏肉だった。うまい。テーブルにはペンが置いてあり、落書きが出来るようになっていたので、『HAND SOAP』をアピール。


上映が近づきナーバスになっていたので、他の上映を観るのはやめて、一旦ホテルに戻り、シャワーを浴びたり洗濯したりして気を紛らせた。監督は上映前に前へ出て挨拶をしなければならない。自分でも話せる程度の簡単な英語で済ませるか、通訳を介してある程度作品について話すかを迷ったが、結局、中沢あきさんに通訳をお願いする事にした。そのための原稿を書いたり、挨拶に向かう途中、わざと転んで受けを狙うための練習などをした。タケシイズムだ。結局、奥さんの前でやって見せたら「やめたほうが良い」と言われたのでやめておいた。


緊張していると言ったら、少しだけ日本語が話せる映画祭スタッフのリサがラムネのようなお菓子をくれた。「おいしい!」というと、箱ごとくれた。「これをお守りにして頑張る」と言い、緊張が高まるごとに一粒食べた。本当においしかったので、後にスーパーで3つ買った。


夜8時、作家が会場前に集まり、軽く段取りの説明。自分の前に上映されるポーランドの映画の監督の青年が気さくに話しかけてくれた。かっこいい。彼のことが大好きになった。会場は満席。高まる緊張。最初の作品(ポーランド人の彼の作品)は『38,5』ボクシングをする少年を追ったドキュメンタリー。これがものすごく良く出来ていて、今日までに見た中で3本の指に入るくらい好きだった。


自分の番になり、前へ出る。なんとなく会場の雰囲気が暖かいのがわかった。「いつも必ずされる質問だから手法についてあらかじめお話します」と制作法を話し、無事、挨拶は終わった。作品に対しての観客の反応は良くわからなかったが、割と集中して観てくれていたのではないだろうか。ちんちんが揺れるところとカエルの踊りで少しだけ笑いが起きた。フレームレートを24→30にした際に生まれるガタツキが若干気になった。PALは25なので、1秒ごとに一瞬止まるように見えて、それはそれで嫌だ。どうするのが良いのか解決法がわからない。それぞれのフォーマット用に作るしかないのか・・・。


次の作品は『Guitar Herose』ロックバンドのオーソドックスな物語映画。こういうのも選ばれるのかと意外なほど普通の劇映画だった。

『The Shutdown』は化学工場で働いていた父親についてのナレーションに工場の映像を重ねたもの。言葉がわからないので上映中はチンプンカンプンだった。

『The Additional Capabilites of the Snout』はめちゃくちゃ受けてたが、画質の荒さが気になった。マクシモフはこのプログラムで唯一不参加で、一番会いたかったのに残念だった。

『Voodoo』はフライトアテンダントの訓練生達の様子を描いた作品。このプログラムはどの作品も高画質で美しかったが、この作品はさらに大きい画面サイズで、その画力は圧巻だった。シナリオをきっちり決めず、諏訪さんの映画のように作ったらしい。


プログラム終了後、場所を変えてディスカッション。そこへ行くまでの間に、何人かの方から褒めてもらった。みんな僕が英語を話せないのを知っているので、とても簡単な英語で話しかけてくれる。韓国人の女の子もとても気に入ってくれたようで、予定があってディスカッションを見られないことを申し訳なさそうにした後、また、明日以降、いろいろお話しましょうと言ってくれた。


ディスカッションでは司会者(一次選考委員)が監督達へ質問する。同じ時間に、人気のあるPVのプログラムがあったためか、お客さんは少なかった。ここでも中沢さんに通訳をしていただいたが、やはり自分で話せなくては駄目だなと実感。本当になんとかしなければ・・・。


フェスティバルバーへ行き、金さん、佐竹さん夫妻、中沢さん、町口さんらと3時近くまで話しホテルへ。さすがに疲れたが、開放感の方が大きかった。