黒坂圭太

今日は上映会の打ち合わせ&チラシ配りのために武蔵野美術大学へ行ってきました。武蔵野美術大学で教授をされているアニメーション作家の黒坂圭太さんには『大山慶のアニメーション』初日のトークゲストにきていただけることになっています。

黒坂さんは、実験的な映像作品やぶっとんだアニメーション作品を制作されている作家さんで、最近ではDir en greyの『Agitated Screams of Maggots』のPVなどを手がけられています。

10年越しの新作『緑子』が来年3月にようやく完成との事で、上映会のトークの時に、その予告編を流していただける事になりました。

僕の作品を観た感想として「気持ち悪い」「怖い」「わけがわからない」「作者は病気だ」などのご感想をいただく事が少なくありません。そんな感想を抱いた方にはいつもこう言ってあげたくなります「黒坂圭太を知らないの?」

黒坂さんの作品は僕の作品の10倍、気持ち悪くて、怖くて、わけがわかりません。もちろん作者は病気です(褒め言葉)。しかも、ベラボウに絵が上手いのだから、たちが悪い・・・。国際的な評価も高く、アヌシーやオタワでの受賞、ロッテルダム映画祭をはじめ、内外で個人特集上映が組まれています。


黒坂さんは僕がイメージフォーラム付属映像研究所に通っているときに一度講師としていらした事があり、それが最初の出会いでした。とはいっても僕は大勢いる生徒の一人だったので、黒坂さんの方は当然僕を認識してはいません。黒坂さんがはじめて僕を知ってくださったのは、武蔵野美術大学大学院の面接試験。当時、僕は母校の東京造形大学とムサビのどちらの院へ進学するかを悩み、両方とも受験していたのです。その面接で面接官だった黒坂さんが発したのは「作品を拝見させていただいて、とても光るものを感じました。何も聞きたい事はありません」の一言だけ。見事、合格となりました。こんなに素敵な面接は後にも先にもこの時だけなので、とても記憶に残っています。結局、母校への進学を決めてしまったので、ムサビへ通う事はありませんでしたが、それ以来、黒坂さんはしっかり僕を覚えてくださっていて、時々、新作を観ていただいたりしていました。

僕の作品のダークな部分に惹かれてくれている方は、是非、ゲストに黒坂さんがいらして下さる22日(木)に来ていただきたいと思います。『緑子』の完成楽しみだなー。



余談ですが、現在ムサビで開催されているノルシュテイン原画展をついでに見てきました。プロジェクタで映像も流れているのですが、もう、完全に別次元ですね。あのお方。

はじめてみるカットもあったのですが、とても落ち込みました。あまりにも大きな壁過ぎて、壊そうとか乗り越えようとかっていう気が全く起こりません。ただただ眺める事しか出来ないです。しかも遠くから。せめて「少しでもいいから近づこう」と思えれば良いのですが、「きっとあそこが行き止まりだからこのまま引き返そう」という気持ちになってしまうのです。

こういう気持ちになってしまうと人前で話したりするのが苦痛になってくるので、上映会の直前はしょぼい作品をたくさん観て「大丈夫、自分の方が面白い」と自信をつけてから挑みたいと思います。