ベン・リバース特集上映&絵画と映画の境界線

今日は渋谷で上映会をハシゴしました。

まずはイメージフォーラムシネマテークにて、イギリスの映画作家、Ben Riversの日本初の特集上映。ベンさんはロッテルダム国際映画祭短編部門タイガー・アワード受賞など、世界的に注目されている作家さんです。上映後には映画作家牧野貴さんとベンさんによるトークが行われました。
http://www.imageforum.co.jp/cinemathequ/935/index.html

打ち上げの席でご本人にも感想として伝えましたが、『ウィー・ザ・ピープル』という作品でさりげなく鳥が飛ぶ所に感動しました。この作品、カメラはものすごくよく出来た模型の街を写していて、映像の中には人間が一人もいないのに、音ではやかましく人間の雑踏を聞かせている、という1分の作品なのですが、ピントのボケ具合や、微妙な建物の歪みから「模型っぽいな」ということはわかるのですが、しばらく観ていると空を鳥が飛ぶんです。まあ、文章で書いてしまうと「それがどうしたの?」という感じなのですが、観ているとドキッとします。
ご本人に確認したところ、模型を外で撮影していたら偶然遠くの方で小さく鳥が飛んだだけで、狙ったものではないとのことでしたが、もちろん、それを撮影した瞬間は「やったぜ!」と思ったらしいです。 

『ハウス』という作品も好きでした。これも廃墟のような建物の室内を模型で作ったらしいのですが、こっちは解説で聞くまで模型とはわかりませんでした。

いくつかの例外を除き、作りこんで世界を構築するような作品は少なく、ドキュメンタリーのようにモチーフを一定の距離を保ちつつ撮影したものが多かったです。


それが終わると、次はアップリンクへ行き、『on the border of cinema and painting redux 』を鑑賞。映画評論家の大久保賢一さんセレクトの上映会。テーマは"映画と絵画の境界"です。上映後には大久保さんと牧野君によるトーク。牧野君、一日に2回もトーク。お疲れ様です。
http://www.uplink.co.jp/factory/log/003270.php

一番印象に残っているのは最後に上映された『Block B』でした。マレーシアの巨大団地をロングショットのフィックスで撮影し続けているだけという作品。これはアニメーションでやっても全然面白くないだろうなあ。

牧野君のトークの中でも出てきたし、ベンさんとのお話でも出てきたし、この間の諏訪さんの講義でも出てきた話だけど、実写をやっている人は「自分の中にある何かを0から作り出す(再現する)」ということにはあまり興味がない人が多いんだな。そして、僕自身、観ていてハッとする作品はやっぱりそういう作られ方をしている映画(あるいはそういうカット)が多い気がします。アニメーションでは絶対に現れないであろう一瞬にどうしても目が行ってしまうのです。ああ、でも実写映画でその人の世界を作りこんでいるような作品も好きなのいっぱいあるな。うーん、面白けりゃなんでも良いや。

そんなわけで、打ち上げにも参加させていただき、帰って録画していたM-1を観て、なぜかついでに録画していた『インディペンデンスデイ』まで流し終え、それでもまだ興奮が収まらずに眠れずにいます。


ベンさんはロッテルダムで賞を取っていて、牧野君は今年もロッテルダム行くって言ってて、山田さんも大久保さんも行くって言ってて、大久保さんには絶対行った方が良いよと言われて、牧野君にも行こうよと誘われ、今日見た映画の半分以上はかつてロッテルダムで流れていたもので、これはもう行くしかないんじゃないかという気になってはいるものの、お金がないので、そろそろ働こうかと思っています。アニメーションの仕事なんかどうせもらえないし、全然関係のない普通のアルバイトをしてみようかな。そういうのやった事ないし。

あ、そういえば伊豆で奥さんのご両親からクリスマスプレゼントに年末ジャンボ宝くじを20枚もらったんだった!3億円当たるかもしれないから働くのは宝くじの結果が出てからにしよう!