ザグレブ日記⑥

6月5日

この日は良く晴れた!!暑いくらいだった。朝食を食べて出かける。



ジョルジュ・シュヴィッツゲーベルさんの回顧上映へ。ジョルジュさんは自分が本格的にアニメーションを始める前に観た事のあった数少ないアニメーション作家の一人。同じプログラムで上映され、町ですれ違うたびに「ハーイ」と言えるようになるなんて思いもしなかった。幸せだ。


お昼ごはんを食べるために市場を抜け、レストランへ。途中、バナナに目を向け、「持ってないシールが二つもある」と山村さん。山村さんはバナナのシールのコレクターなのだ。



ブログに書くのを最後の最後まで悩んだが、思い切って書いてしまう事にした。ううう・・後で怒られるかなあ。やばいかなあ。えーい載せてしまえ!!さわやかな一枚の写真。これがその後、みんなの間で物議をよんだ。


ズームしてみると、口から何かが出ているようにみえる。光の加減で偶然そう見えてしまうだけだとは思うのだが、ミミズを食べているようにしか見えない。アヌシーで韓国人作家のナユーンにこの写真を見せたときも「彼は一体何を口から出してるの!!??」とかなりビビッていた。「イッツ ワーム」と和田君が笑って答えていた。


最初に行こうとしていたお菓子の家のようなお店はデザートしかなかったため、近くのレストランでまずは食事。のんびりしていたら和田君のQ&Aの時間になってしまった。慌てて先に店を出る和田君。会計を済ませ、すぐに後を追おうとしたら、山村さんが一言「お菓子の家どうする?」とつぶやいた。山村さんは甘いものに目がないのだ。


Q&Aの客はやはり日本人のみ。お菓子の家を選んでいたら観客は0だった・・・。


合流した藤幡さんとともにみんなでアイスを食べる。最高に旨かった。



教育者が集まり何やら話をしている。きっと真面目な話だ。


チラシを手にするご婦人。その後、そっと机に戻した。


フェスティバルスタッフの一人。みんな良い人だ。いつも「keiはどこへいった」と探し回ってくれた勝気で可愛いサーシャの写真を不覚にも撮り忘れてしまっていた。誰か持ってる人下さい。


夕方、アクメの特集上映をみた。短編部門の審査委員でもあるロンさん。


そしていよいよ自分の作品が上映されるコンペ5。上映がはじまってすぐ、回りにいる作家達が「あれはきっとこうやって作ってるんじゃない?」みたいな感じでざわついていたのが嬉しかった。上映も綺麗で、お客さんも集中して観てくれていた様子で、満足のいくものだった。上映後にアナウンスがあり、立ち上がって挨拶するはずなのだが、マイクがオンになっていなかったらしく、聞こえてこない。「アレ?」って顔してるとジョルジュさんが心配そうにこっちを覗き込み、「立つんじゃない?」みたいに合図をくれた。やさしいなあ。ジョルジュさん。


プログラムが終わり、山村さんに「良い上映だったと思うよ。いい線いってるんじゃない?」と言われた。この瞬間が今回の2週間で一番嬉しかった瞬間かもしれない。藤幡さんも僕の作品をとても気に入ってくれて嬉しかった。

すぐに同じ会場でクロージングセレモニー。学生部門のスペシャルメンションを芸大の田中さんが受賞!おめでとうございます!!グランドコンペの受賞作品は、どれも世界中で受賞しまくっている作品ばかりで、「そりゃそうだ」と納得するしかない結果だった。「何かに引っかかると思ったんだけどなあ」と山村さん。こんなに嬉しい言葉はない。「よーし、今夜はやけ酒だあ」と豪快に笑う藤幡さんと共に日本人みんなで最後の打ち上げ。


楽しかったなあ。