バンクーバーに来ています

先日のブログでも少し触れましたが、現在、文化庁の新進芸術家海外研修制度にてバンクーバーに来ております。

バンクーバーはカナダの西部に位置する都市で、今年、冬季オリンピックが開催された事でも話題になりました。ここを研修先としたのはNFBのプロデューサー、マイケル・フクシマさんからの推薦があったためです。NFBの本部があるモントリオールでの研修を希望し、マイケルさんにメールをしたところ、「ここはフランス語が必要になり、日本人も少なく、冬も寒いから、バンクーバーをオススメするよ」と返信があり、同じくNFBのプロデューサーであり、エミリー・カー美術大学で教鞭をとるマーチン・ローズさんをご紹介していただきました。バンクーバーは2005年に映画祭参加のために訪れたことがあり、その安心感もあって、バンクーバーに決めました。



ここバンクーバーは現代的なビルの建つ都市と、緑豊かな自然があり、なおかつ海に囲まれた大変美しいところです。5年前に映画祭で来たときはホテルと映画館の往復ばかりだったため、これほど気持ちの良いところだとは思っていませんでした。住みたい都市世界NO1というのも大げさではないなと思いました。






着いてすぐ、まずは町の雰囲気をつかむために数日間ダウンタウンを中心に歩き回りました。住むとしたらどの地区が良いのか、どこにどのような店があるのかを把握していきます。





とても賑やかな繁華街でも、少し道をそれると、すぐに閑静な住宅街が広がっています。空き家にはVacancyと書かれた看板が立っているので、それをチェックしながら歩き続けました。バンクーバー水族館も見物。ここは映画祭で訪れた時、オープニングパーティーをやったところです。






ちょうどバンクーバービエンナーレが開催中だったらしく、時々、町の中に作品が展示してありました。





映画祭の時にボランティアスタッフで通訳をしてくれたあけみさんにダウンタウンから橋を渡ってすぐのキツラノ地区を案内していただきました。オシャレなお店がたくさんあり、どちらかというと富裕層の住んでいる地区。一件、気に入った物件に巡り合えたのですが、少しだけ予算オーバーだったため、キツラノはあきらめました・・・。






入国から一週間が過ぎ、まだ住居は決まらず、もしも決まったとしてもほとんどの物件が10月1日からの入居となりそうだったため、もうしばらくホテル暮らしが必要となってしまいました。ずっと同じところにいてはお金がかかりすぎるとの判断で、思い切って残りの一週間はユースホステルに泊まることに。さよなら快適なホテル生活。しかし、ユースはユースで狭いながらもなかなか楽しく、朝食には大きなマフィンがもらえるし、パスタの無料サービスデーなんていうサービスもありました。








あけみさん同様、映画祭で通訳をしていただいた宮野さんとそのお友達のポールに手伝ってもらい、物件探し。ポールがわざわざ借りてきてくれたレンタカーでドライブです。その結果、見事、借りたい物件を発見。海の目の前のマンションです。ポールが率先して大家さんと交渉してくれました。ポール、ものすごく良い人だったなあ。

ところが管理会社からビザが6か月だからという事で(カナダ大使館にビザの申請をした際、なぜかビザは不要だから観光で入ってくれといわれてしまった)、確かにビザの延長をするという日本政府からのオフィシャルな書類を提出してくれと言われてしまいました・・・。そんな事を言われてもビザを延長できるかどうかを決めるのはカナダ側であって日本政府ではありません。当然、マーチンさんでもありません。仕方がなないのであきらめて次を探し始めたところ、翌日になって急に契約書にサインをしに来いとメールが入りました。何が起こったのかまったくわからなかったのですが、どうやらマンションの管理人さんが僕らの事を気に入ってくれ、管理会社に僕らを推してくれたようでした。どうなる事かと思っていたので、本当に嬉しかった。





家が決まったところで、ベッドも机も何もないので生活は出来ません。1日の入居日までに全てをそろえるべく、電車で30分のIKEAへ向かいました。写真の男性は途中で会った見知らぬ韓国人留学生。IKEAに行くの?って聞いたら「どうしてわかったの!?」と驚いてたけど、ここは田舎なのでIKEAくらいしか周りにないのです。ソファーを買いに来たとの事。最低限必要なものを最安値でどんどんカートに入れていきました。当然、ミートボールも食べました。







ところが、なぜか持っていたカードがどれも使えず(一つは暗証番号の間違いで一つは対応していなかった。もう一つは謎)、仕方がなくATMで引き出そうとしたところ、機械の中の紙幣がなくなったらしく、必要な額の3分の1ほどしかキャッシュを手に入れることが出来ませんでした。仕方がなく、翌日、もう少し近くのIKEAに行き、リベンジ。無事、買い物を済ますことが出来ました。が、配達サービスを行っているのは大きな家具類のみとの事だったため、手に持てる分を残し後は返却、大きなバッグを抱えてホステルに戻ることになりました。




いよいよ明日からようやく新しい家に住むことが出来ます。まだ少し生活のための準備に時間がかかりそうですが、すぐに落ち着きそうです。家さがしに翻弄され、作品どころではありませんでしたが、それでも時々パソコン持参でカフェに通い、アイデアだしやエスキースなどを繰り返していました。あまりにも良い環境過ぎて、作品に集中出来るか不安ですが、せっかく与えられた時間なので有意義に使いたいと思います。