A Figure of Dys-Juxtaposition

昨日は午後からギャラリーASK?へ藤幡正樹さんによる"A Figure of Dys-Juxtaposition"展を観にいってきました。

ベルリン在住のパーフォーミング・アーティスト、池田一栄さんの手の動きを2台のカメラで同時に撮影、上映時に二つの映像を組み合わせた時に生じるズレの気持ち悪さを楽しむといったインスタレーションでした。15時からは藤幡さんご本人によるトークがあり、とても面白かったです。

藤幡さんは展示する映像というものを(言うまでもありませんが)とてもよく考えられていて、いろいろと勉強になりました。

スクリーンに茶色い木の板を使っていたものは黒がしっかりと閉まり凄く綺麗で不思議な強さを持っていました。スクリーンに色のついたものを使用するインスタレーションは、数年前に武蔵野美術大学の篠原規行さんのゼミの展示ではじめてみましたが、そのときは結構衝撃的でした。今回も最初はまったく気づかず、なんでこんなに綺麗なんだと注意深く観て、ギャラリーの方に聞いてやっとわかったという感じです。

普通、プロジェクターで投影した映像では黒が完全な黒にはならず、特に展示作品の場合、映画館ほどの闇が作れないので映像の中の一番暗い部分が現実の空間の黒よりもはるかに明るいものになってしまいます。トークで藤幡さんがおっしゃっていたように、観客を没頭させる『映画』では観ているうちにフレームが消えていきますが、展示の場合そうはなりません。しかし、スクリーンに白を使わない事で黒がしっかり黒になり、絵画や写真や立体作品のような"モノ"として、より美しいものになっていました。

ASKを出て、そのまま渋谷のアップリンクへ。


出かけなければならないので『読むアニメーション』に関してはまた後で。