ダブルX

昨日は昼からのアサビでの授業を終えた後、急いで渋谷ライズXへ向かい『ライアン・ラーキン路上に咲いたアニメーション』を観賞。11月1日(日)の19:40の回終了後土居さんとのトークが予定されているので、その予習のためだったのですが、偶然同じ事を考えていた土居さんと映画館で遭遇して、なんだか恥ずかしかったです。

ライアンの作品は何度も観たことがあったのですが、昨日、劇場で観たライアン作品では不覚にも涙してしまいました・・・。人が歩いているだけのアニメーションを観て涙が出るとは思いもよりませんでしたが、これは事前に『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』を読んでいた事が大きいように思います。このあたりの詳しい事はトークでお話しようかな。どうしようかな。ラーキン作品単体に対して僕が今感じていることもお話できればと思っています。お時間のある方は是非遊びにいらして下さい。


ラーキン観賞後、土居君を誘って七里圭監督『眠り姫』を観にアップリンクXへ。この映画は2007年に劇場公開されて以来、アンコール上映を繰り返している(今回なんと6度目!)という珍しい映画です。これは、「映画」が劇場公開後すぐにDVD化され消化されてしまう事への抵抗なのかもしれません。僕も最近めっきり映画館へ行く機会が少なくなり、ついつい「DVDで良いや」とレンタル待ちをする事が増えてしまっているので、反省しなければなと思いました・・・。

内容に関しても、実験的で(それでも決して奇をてらったものではありません)、とても好感の持てる作品でした。オープニングとエンディングで流れる朝焼けはとても美しく、一番驚いた事は人がほとんど映らない映画であるにも関わらず、しっかりと原作漫画の作者である山本直樹の世界を感じられたことです。この映画の原作漫画自体はまだ読んでいないのですが、山本直樹さんの漫画は何冊か読んでいて、そのエロくて不安定で悲しい世界観がとても良く表現されていたように思います。

漫画を映画化する現象はあちこちで起こっていますが、例えば『20世紀少年』のようにキャラクターそっくりな俳優を使って、忠実に美術、衣装を作り上げて、漫画のコマ割をそのまま画コンテに使っても、当然映画としては大失敗するでしょうし、『ドラゴンボールレボリューション』のように、原作の設定をゆる〜く拝借して、ありがちなB級アクション映画にしてしまっても、誰も得をしない不幸な映画に仕上がってしまいます。

どのようなアプローチにするべきなのかはそれぞれの原作、映画のテーマによって異なるとは思うのですが、『眠り姫』は漫画の実写映画化という、とても難しいお題に対する、正しい解答の一つのように思いました。